吉田地区の電話交換機をリニューアルしました
2025年3月に吉田地区(内線16-エリア)の電話交換機(PBX)を更新しました。更新作業に伴う電話の一時停止等にご協力いただき、誠にありがとうございました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。
新しい電話交換機の機能について
今回のリニューアルでは、2008年から利用していたNEC製APEX7600iをNEC製UNIVERGE SV9500CTに更新しました。交換機更新後も現在お使いの電話機はそのまま継続してご利用いただけます。また、電話の基本的な機能に大きな変更はありませんが、新たな機能が追加されましたのでご紹介します。
デジタル多機能電話機の現行品への対応
旧交換機に対応する製品の製造終了により新規設置できなかったデジタル多機能電話機が、電話交換機更新により現行販売品を用いて新規設置できるようになりました。これによりデジタル多機能電話機の新規購入・設置が可能になりました。ただし、デジタル多機能電話機は規格が特殊であり、後継の交換機も継続して提供されるかどうか不透明であるため、次回電話交換機更新時に流用できない可能性があります。
IP電話端末への対応
これまでは電話線で接続された電話機のみ利用可能でしたが、新しい電話交換機では学内ネットワーク(KUINS)に接続して利用できるIP電話端末が利用可能になりました。場所の制約が少なくなり、学内における仕事環境の変化に柔軟に対応できます。主な種類と特徴は以下の通りです。
IP多機能電話機
従来の卓上型電話機とほぼ同じ感覚で使えるIP電話機です。
有線LANでの接続が必要です(無線不可)。
通常のKUINS-III VLANが来ているところであれば、LANケーブルを繋ぎ変えることで、電話工事することなく使用できます。
ACアダプターのほかに、PoE(Power over Ethernet)対応のハブを使えばLANケーブルから電源を取ることもできます。PoEを使う場合は、ACアダプターを用意する必要はありません。
ソフトフォン
お持ちのPCに専用ソフトウェアをインストールして利用します(Windowsのみ対応)。
PCのマイクとスピーカー(ヘッドセットでも可能)で通話でき、多機能電話機とほぼ同等の機能が使えます。
IP電話では、着信音がパソコンのスピーカーやヘッドセットから鳴ります。ヘッドセットを装着していないと着信に気づかないことがあるため、着信音をスピーカーから出すように設定しておくと安心です。
スマホ内線アプリ
スマートフォン(Android/iOS)に専用アプリをインストールし、内線電話として利用できます。
学内の無線LAN(KUINS-Air)への接続が必須です。
発着信、保留、転送といった基本的な電話操作のみ利用可能です。
お使いの機種によっては相性が悪く、正常に動作しない場合があります。
※ IP電話端末ご利用にあたっての注意点
1つの電話番号で利用できるIP電話端末は1台のみです。
IP多機能電話機とソフトフォンで同じ番号を同時に利用することはできません。
KUINS-IIIに接続して利用します。
現在、各IP電話端末の動作検証を進めております。動作検証への参加をご希望の場合は、情報環境機構 情報基盤グループの電話設備担当までお問い合わせください。検証用としてIP多機能電話機(約10台)、ソフトフォン用ライセンス(約20ライセンス)、スマホ内線アプリ用ライセンス(約20ライセンス)を先着順でご提供できる場合があります。なお検証用ライセンスが無くなった後であっても、費用を負担いただいての参加も可能です。
簡易通話録音機能
デジタル多機能電話機、IP多機能電話機、ソフトフォンにて、通話内容の録音が可能になりました。
録音方法
通話中に、電話機に設定された「録音開始」ボタンを押すと、その時点からの会話が録音されます。
ボタンを押す前の会話は録音されず、自動で録音が始まることはありません。
録音データについて
音声データは管理サーバーに保存され、電話機から再生できます。
サーバーでの保管期間には限りがあり、期限を過ぎると自動的に消去されます。期間内に外部メディアへ保存することも可能です。
ご利用条件
利用には、電話番号ごとに事前の利用設定が必要です。利用をご希望の場合は、所属部局の電話担当者を通じて申請いただく予定としております。
その他
通話相手に録音中であることを自動で通知する機能はありません。
本機能は利用開始に向けた準備を進めております。準備が整い次第、教職員ポータルの掲示板などを通じて改めてご案内いたします。
今後について
今回の更新では、従来とほぼ同等の機能の交換機に更新することができましたが、音声通信業界は急速にIP化・クラウド化が進んでおり、次回の更新時には、同等の構成での更新が困難になる可能性が非常に高いと考えられます。
そのため、京都大学の音声通信設備は、技術革新やネットワーク環境の動向を踏まえ、将来的にはIP技術を活用したクラウドPBXへの移行も視野に検討を進める予定としております。
また、IT-BCP(事業継続計画)の観点から、災害時などにおける緊急通報(110番・119番)を含む通信手段をいかに確保するかも重要な課題です。従来の固定電話だけでなく、スマートフォンをはじめとする、多様な音声通信手段を柔軟に活用できる体制づくりを目指してまいります。
なお、従来の電話機能はNTTでもサービスが終了しているものがあり、徐々に使えなくなることが予想されます。ISDN回線やFAXについてもクラウドPBXサービスではサポートされておりません。そのようなサービスを利用している場合は、利用の廃止も含めた他の手段への移行について早めの検討をお願いいたします。
(情報環境機構 IT基盤センター 情報基盤グループ)