機構長挨拶
情報環境機構 機構長 岡部寿男
2025年1月
2024年10月より情報環境機構長を拝命しました。1988年に工学部助手として奉職以来、本学の情報基盤に関わる仕事を続けてきました。これからも引原隆士理事・副学長の下で、引き続き情報基盤の充実及びこれに基づく情報環境の整備等を推進していく所存です。
2005年4月に情報環境機構が設立されてから間もなく20年を迎えます。当時あまりなじみのなかった「情報環境」という言葉を新しい組織の名称にしたのは、ハードウェアとソフトウェアによって構成される「情報基盤」だけでなく、その上に、多様な情報システムとそれらを利用する人間・組織とが一体となった「ヒューマンウェア」を構築してこそ大学における諸活動を支えることができるという初代機構長の故・松山隆司先生の考えに基づきます。その精神を受け継いで、本学の教育、研究そして運営に関する諸活動を支えるため、全学の情報基盤に関する企画、整備、管理及び運用、情報基盤に基づく多様な利用サービスの提供、そのための高度かつ安全な情報環境の構築及び提供に力を注ぎながら、体制を変革し機能を充実させてきました。
2024年1月、本学におけるオープンサイエンスとデータ駆動型研究を推進するため、情報環境機構に新たにデータ運用支援基盤センターが設置されました。研究データの管理・運営からデータ駆動による新たな価値創造まで研究のライフサイクルを一貫して支えるためのコアインフラ担当組織として、全学的な研究データ基盤のプラットフォームの構築を担い、分野横断型のデータ公開・利用を促進します。そのための具体的な活動として、データ運用のための環境整備とシステム構築、データ駆動型研究に対応する計算機資源の整備と全学利用体制の確立に留まらず、データにかかわる知識・技能の習得支援にも貢献し、データを利活用する人間・組織とが一体となった「ヒューマンウェア」を構築していきたいと考えています。
機械学習や生成AIなどの人工知能技術が急速に進化し、私たちの日常生活にも大きな影響を与え始めています。大学における研究活動も例外ではなく、従来の常識を超えたまったく新しいアプローチが求められる時代が到来しつつあります。振り返れば、過去四半世紀にわたるインターネットの普及は私たちの活動を大きく変革してきましたが、今後の四半世紀においては、さらに大きな変革が人工知能によってもたらされると考えられます。そして、研究活動の変革を支える礎として、データ駆動型研究における研究データの重要性がこれまで以上に増していくことは疑いありません。
こうした時代の要請に応えるため、情報環境機構として新たな技術や手法の導入に一層取り組み、本学のさらなる発展に尽力してまいります。皆様のご理解とご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。