コンテンツ

  1. ホーム
  2. 情報環境機構について
  3. 機構長挨拶

機構長挨拶

年頭挨拶

情報環境機構 機構長 引原隆士

2024.1.1

hikihara201409-web.jpg

年頭に当たり、ご挨拶を述べさせていただきます。

京都大学情報環境機構はこれまで、京都大学の構成員のご理解の下に全学の情報基盤を充実すると共に、情報利用環境を整えて教育・研究を支えて参りました。さらに全学の要請に応えるべく2024年1月1日付けで改組致しましたので、一層のご支援をお願い申し上げます。

情報環境機構は、京都大学の構成員がその所属、キャンパスの如何によらず、認証の下に通信・情報ネットワークに接続でき、提供する教育・研究・事務に関するサービスを受けることができるよう環境を管理・運営し、その提供機能の時宜に応じた見直しを行っています。本機構は、2021年度に総長の検討要請の後、戦略調整会議および企画委員会の審議を受け、 ICT基本戦略2022の策定とそれに沿った組織改革を求められると共に、ユーザー目線に立った情報基盤の整備を要請されました。これを受けて、令和5年度概算要求を本部要求として提案し、その採択を受けて改組を実施しています。この改組に合わせて、様々な情報に関わる学内のボトムアップな取り組みを一旦整理し、定常化した業務は全学委員会の判断の下で主たる責任を果たす部署に移管し、機構はその技術的支援の黒子に徹するという考え方で組み直しています。新しい技術の導入やその検証も当然ながら進めますが、そのニーズは全学で透明性を保って承認され、試行および実地検証、体制の実現性の審議を経た上で計画的に筋道を立てることが重要と考えています。大学がこれまでに進めて来た教育、事務の情報基盤業務のスムーズな推進のため、属人的な運営となるキライが避けられなかった IT企画室を廃して「IT基盤センター」を新たに設置し、センターとして学内他部署と連携して基盤システムの運営に当たります。

世界の学術成果は本来その質の丁寧な評価にあるべきことは明らかですが、昨今は論文出版規模の拡大により査読を経た論文の出版とその引用数に基づく定量的な評価に振り回されてきました。その弊害を受け、成果の根拠となるデータのエビデンスの公開とその透明性を重視した信頼できるデータの質を求めた評価へと変化し始めています。公開データ、アセットデータ、そして観測データ等を駆動することによって、既存の法則が得られた学問領域内に留まらない分野に科学的手法の展開する方向に転じ始めています。言い換えると、これまで研究者個々人が対象に向き合って来た取り組みが、扱う研究データの保存による客観性の担保となり、研究論文の主張の裏付けとなり、さらに定量的な普遍性を見出して研究の質を高める資源と考えられるようになってきています。この潮流の下 G7の議論を経て、2023年11月に政府の閣議決定において、2025年度から新規募集される公的資金を受けた研究成果に論文発表のオープンアクセス化とエビデンスデータの公開が義務付けられることとなりました。また、その周辺データに関しても研究機関において管理が求められます。京都大学の研究者が関わる研究領域においては、例外なく今回の政策で示された方針を受けた対応が求められます。情報環境機構がこの度実施した改組は、この政策を受けた研究推進の支援体制をいち早く整えて京都大学の研究成果の存在価値を高め、研究者・学生が負担なく研究を遂行できるようにすることを目指します。「データ運用支援基盤センター」は、それぞれの研究分野の特性や研究のライフサイクルを理解した上で人的サポート体制を組み、データ運用を加速するデータ駆動用エッジ計算機の配置と研究データの管理・運用のための大容量ストレージを学内で整備し、利用に供する予定です。

情報環境機構は利用者の目線に立ち返って、将来に向けた情報基盤の整備を進めてまいりますので、引き続きご支援とご協力をお願い致します。

research-cycle1.png

(2024年1月9日掲載)

 

Copyright © Institute for Information Management and Communication, Kyoto University, all rights reserved.