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イベント・講習会

学術情報メディアセンターセミナー「3.11被災地の情報通信―情報の空白地帯はなぜ生じたか?」

2012年6月5日(火曜日)掲載


 京都大学学術情報メディアセンターでは,月に一度,各分野でご活躍の講師をお招きし,それぞれの研究開発活動の内容や現在抱えている課題についてご紹介いただき,参加者を含めて広く議論を行う機会として,月例セミナーを開催しております.
 6月12日と19日は臨時の開催として,2回のシリーズで,被災地の情報通信の課題について,ご講演をいただきます.

 第1回目の6月12日は,阪神・淡路大震災時に神戸市広報課職員として,被災状況を神戸市のホームページを通じて世界に発信され,今回の震災でも仙台市・名取市等の復興支援派遣隊長を務められた松崎太亮氏に,「3.11被災地の情報発信の在り方―阪神・淡路大震災の教訓は生かせたか」と題して,阪神・淡路大震災の時のインターネット発信の状況から,支援にあたった東日本大震災での情報発信の状況,さらには,現在のスパコン「京」での防災減災研究振興までを包括的に語っていただきます.そして,今後の情報発信の在り方についての御示唆を頂きます.

 第2回目の6月19日は,東北で長年,自治体情報システムの構築に取り組むと共に,自治体ITコンサルタントとしてご活躍されてきた酒井紀之氏に,震災での自治体情報システムの被害とその後の復旧の歩みと今後の備えに関して,ご講演頂きます.
 今回の震災を受けて,多くの企業では,震災や停電の際でも,情報システムを継続的に運用できるための事業継続計画:BCP(Business Continuity Plan)の見直しを図っていますが,自治体に限って言えば,その動きは遅々としています.しかし,今回の震災からの復旧でも,自治体の機能をどれだけ維持できたかが,復旧のスピードを大きく左右しており,情報システム機能の回復が不可欠でした.しかし,その実情は,当事者もしくはベンダー以外の方からの報告はほとんどなかったところです.

 学内外を問わず多数の方の参加をお待ちしております.

日時 2012年6月12日(火曜日) 13時00分~14時30分 2012年6月19日(火曜日) 13時00分~14時30分
会場 京都大学 学術情報メディアセンター南館 2階 202マルチメディア講義室
http://www.media.kyoto-u.ac.jp/ja/access/#s_bldg
参加申し込み 不要
主催 京都大学 学術情報メディアセンター
お問い合わせ 項目1
電話番号:075-753-7408(内線7408)
E-mail:izawa.ichiro.5ckyoto-u.ac.jp
プログラム

第一回目 平成24年6月12日(火曜日)
講演題目:「3.11被災地の情報発信―阪神・淡路大震災の教訓は活かせたか?」
講 演 者:松崎太亮(まつぎき たいすけ)

  神戸エンタープライズプロモーションビューロー グループマネージャー,情報支援プロボノ・プラットホーム(iSPP)*共同代表理事,「神戸と学ぶ防災市民塾」事務局長.
講演概要:阪神・淡路大震災から15年が経つが,昨年の東日本大震災でも,震災の直後から,情報通信の「空白地帯」が広く存在した.なぜこのような事態が生じるのか,阪神・淡路の教訓は活かせなかったのか,を被災地の訪問を通じて得た知見に基づき,解説すると共に,今後,情報通信の空白を生み出さないためにとるべき施策について,提案する.さらに,今後の震災被害を低減させることを目的として,様々に行われている防災・減災研究の一つとして,神戸のスパコン「京」で,行われている研究についても紹介する.
講演者プロフィール:
・阪神・淡路大震災発生時,神戸市広報課職員として,被災状況を映像で記録し,翌日より神戸市ホームページで配信した.その後,その経験を活かし,JICAやアジア防災センターからの派遣でトルコ,インドネシア,アルメニア,アルジェリア国等の防災教育支援を行ってきた. ・3.11の東日本大震災に際しては,神戸市からの仙台市,名取市等への復興支援派遣隊長を務めた.さらに,情報支援プロボノ・プラットホーム(iSPP)*共同代表理事として,被災地に,何度も足を運び,支援活動を行なっている.
・著書・寄稿は多数で,「防災都市神戸の情報網整備」「神戸・教育振興の10 年」「インターネット白書2011」 「3.11被災地の証言」(インプレスジャパン)など.文部料学省「インターネット教育活用実践コンクール文部科学大臣賞」受賞,日本災害情報学会「廣井賞」共同受賞.

第二回目 平成24年6月19日(火曜日)
講演題目:「3.11被災地の情報発信―自治体情報システムの被害と今後の備え」
講演者:酒井 紀之(さかい のりゆき)

 株式会社ソフトウエア開発代表取締役社長,総務省 地域情報化アドバイザー (6月より予定),情報支援プロボノ・プラットホーム(iSPP)*共同代表理事,NPO法人杜の考房プロデューサー
講演概要:講演者は3.11の東日本大震災に,東北自動車道を宮城・福島県境周辺を走行中に遭遇し,ほとんどの通信手段が機能しない「情報通信の空白状況」を体感した.しかし,その困難な通信状況の中から,自らがアドバイザを務める自治体を始め,いくつかの自治体情報システムの稼働状況を確認することから始め,その後の支援活動の中で,様々な自治体ウェブページの機能不全,ユーザ視線の欠如,市民への情報発信の状況を知ることとなった.
この震災で,様々な自治体情報システムはどうなったのか,どのように復旧したのか,その状況が被災自治体の活動にどのような影響を及ぼしたのか,さらにはこの経験が同様に自治体情報システムを持つ方々へどのような教訓が得られるのかを述べる.
講演者プロフィール:
・平成3年に,有限会社ソフトウエア開発を設立,現在に至る.
・パソコン通信の時代,東北で初の日本語BBS(電子掲示板)を開発し,開局.インターネットの創成期には,宮城県,仙台市と協力し,東北におけるインターネットの普及活動を行う.
・その一環として,株式会社仙台ソフトウエアセンター(NAViS)で技術講師,技術顧問として自治体ネットワークシステムの構築に取り組み,産業技術研究開発事業東北経済産業局審査委員,自治体情報システムアドバイザー(名取市等),そのほか,情報システムや防災システムの選定委員を経験.
・震災後は被災地支援のためiSPPに参画し,主に自治体支援の活動を行っている.
・専門分野は情報システム構築,ソフトウエアの開発であるが,自治体の情報システムに係わることも多いことから,ITアーキテクト,自治体ITコンサルタントとしても活動している.

*情報支援プロボノ・プラットホーム(iSPP):東日本大震災の被災者を支援し,復旧・復興活動に貢献するため,ICT(情報通信技術)の関係者が個人の資格で集まり,2011年5月に設立された非営利組織.(共同代表幹事は会津泉,岡本真,酒井紀之,松崎太亮の4名.)被災地を対象に,継続的かつ多面的な支援活動を行なっている.
2011年7月には,面談とインターネットによって,東北3000人の情報活動調査を行ない,その結果を「3.11被災地の証言 東日本大震災 情報行動調査で分かるデジタル大国・日本の盲点」(インプレスジャパン)にまとめた.

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