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KUINS ニュース 37

目次

KUINS news 37 [2002.3.25]

表紙写真: 学術情報ネットワーク機構の看板(大型計算機センター玄関)

KUINS-III 運用開始に向けてのお知らせ

学術情報ネットワーク機構

KUINSの新しいキャンパスネットワークシステム「KUINS-III」は, 平成14年1月からテスト運用, 平成14年4月から本運用の予定で, システムの設定作業等を進めてきました. しかし設定作業が予定よりも 大幅に遅れているため,4月1日に全構内で運用開始する ことが困難な状況となりました. そのため,表1に示した日程で段階的に運用を開始することになりました (なお,作業上の障害等で若干遅れる可能性もあります).

それに伴い,前号(No.36)でアナウンスしていましたKUINS-IIIの設定方法 の掲載につきましても, 現在大至急に準備しております. 後日 KUINS のホームページにて掲載させていただきますので, もうしばらく お待ちいただくことをお許し願います.

また,KUINS-III の VLAN 設定等に関するお問い合わせの窓口につきましても, ホームページの方でアナウンス予定ですので,ご確認の方をよろしくお願いい たします. KUINS-IIIの運用開始,及びその他アナウンス等が大幅に遅れ, 皆様に大変ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます.

KUINS-III 運用開始日程表

4月1日北部構内・本部北構内
本部南構内・宇治
4月9日医学部構内・総合人間学部構内
薬学部構内(病 院西構内)
4月17日 病院東構内・熊取・犬山・大津

OCN回線増速のお知らせ

学術情報ネットワーク機構

学内遠隔地のネットワーク接続のため本部地区で契約している OCN接続回線を128Kbpsの専用回線から最大10Mbpsの光ファイバ 回線に変更します. 変更予定は3月下旬です.

現在OCNを介して接続している遠隔地は次のとおりです.
・理学研究科附属地球熱学研究施設(大分県別府市)
・理学研究科火山研究センター(熊本県阿蘇郡)
・理学研究科瀬戸臨海実験所(和歌山県西牟婁郡)
遠隔地からOCNを介してネットワーク接続をご検討の場合には, KUINS機構情報システム管理掛までご相談ください.

スーパーSINET運用状況について

国立情報学研究所が運用している学術情報ネットワーク「SINET」が, 平成14年1月4日から「Super SINET」として運用開始となりました. Super SINETはバックボーンとして,東北大-東大-名古屋大-阪大-京大間 を10Gbpsの速度で接続され,大量のデータ伝送を可能にします. また, 海外通信(米国)向けの回線速度が150Mbpsとなりました.

今後は平成14年度概算要求により,東北大-北大間,阪大-九大間等に ついても, 10Gbpsの速度で接続される予定です.

遠隔研究支援システムの不具合対処について

学術情報ネットワーク機構

平成10年度補正予算で導入されました遠隔研究支援システムについて, システムが正常に起動せず利用できない状態が長らく続き,皆様に大変なご迷惑 をおかけしておりました.
平成13年12月末に,システムのファームウェアの修正を行い,正常に動作 するようになりました.
長い間大変ご迷惑をおかけしましたことを,改めてお詫び申し上げます.

セキュリティパッチ適用の徹底について

学術情報ネットワーク機構

最近,購入直後のコンピュータが管理者権限を乗っ取られたり,コンピュータウィルスに 感染するなどの被害が多発しております。最新のコンピュータであっても, セキュリティパッチを適用した後でなければ,ファイアウォール等の保護がない ネットワークに接続することは非常に危険です.また,ファイアウォール等によって 保護されていないネットワークにコンピュータを接続し,セキュリティパッチを ダウンロードして適用することも危険です.

例えば,一つのIPアドレスに対するNimdaの攻撃は通常で日に数回,攻撃が集中した場合は 数分に1回の頻度となっております.これは,Windows Updateによってセキュリティパッチ をダウンロードしている最中に,攻撃を受けて乗っ取られてしまう危険性があることを 意味しております.従いまして,購入直後のコンピュータについては,ファイアウォール等 によって保護されたネットワークでセキュリティパッチを適用するか,雑誌等の付録を利用 されることをお勧めします.

また,メーカーによるセキュリティパッチの提供頻度も高くなってきており, 週に1回程度の確認では不十分な状況となりつつあります.KUINS機構では, 深刻度の高いと推定されるセキュリティ情報についてはKUINSのホームページで 情報提供を行っておりますので,日に1回は確認されることをお勧めします.

プロバイダ法について

学術情報ネットワーク機構

-教職員・学生の区別なく誰もがプロバイダ等と定義される可能性があります-
昨年末の第153回国会で「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発 信者情報の開示に関する法律(通称,プロバイダ法)」が可決成立しました. 詳細は 総務省のホームページを参照してください.

この法律では,インターネット上における情報の流通によって権利の侵害(著作 権の侵害, 個人・企業などの中傷など)があった場合でも,特定電気通信役務提 供者(以下, プロバイダ等)が免責される条件 について定められています.

では,具体的には誰がプロバイダ等に該当するのかと言えば,
・他人の通信を中継するプログラムを利用して不特定多数に情報交換の場を提供する者
・そのプログラムを管理する者
・そのプログラムが稼働する計算機の管理者
・その計算機が接続されているネットワークケーブルの管理者
となります.

1. は例えば,Web掲示板の運営者が代表例となります. なぜそうなるかといえば, この法律と関連する法律で,
・電気通信とは有線,無線その他の電磁的方式により,符号,音響又は映像を送り, 伝え,又は受けることをいう(電気通信事業法).
・電気通信設備とは電気通信を行うための機械,器具,線路その他の電気的設備をいう(電気通信事業法).
・特定電気通信とは不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信をいう(プロバイダ法).
・特定電気通信設備とは特定電気通信の用に供される電気通信設備をいう(プロバイダ法).
・特定電気通信役務提供者とは特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し,
その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者を言う(プロバイダ法). と定義されています.

したがって,電気通信設備(ネットワークとそれに接続された計算機)を利用して, 特定電気通信(不特定の者によって受信されるWebサーバプログラムやWeb掲示板 )を運営する者は, 本学教職員であろうとなかろうと(つまり学生であっても)本 法律ではプロバイダ等と定義されます. 大学や学生はプロバイダ等ではないと思われるかも知れませんが,2001年11月 6日に開催された 参議院総務委員会の会議録を読みますと,


<又市征治君>
社民党の又市征治であります。
(中略)
そこで幾つか質問に入りますが、まず第一に、法案第二条の第三号に特定電気通 信役務提供者の定義がありますけれども、これによれば、プロバイダーだけでな く、 その提供を受けてホームページを持ち、そこに掲示板などを開いている団体 や個人、 もちろんここにおいでの多くの政治家の皆さんもホームページをお持ち ですけれども、 これらすべてが含まれるように読めますけれども、ここに言う具 体的な対象というのは、 プロバイダー、サーバーの管理、運営者に絞られるとい うふうに確認してよいのかどうか、 これがまず第一点目でありますし、二つ目に、 現在テレコムサービス協会に加入をして 自主的なガイドラインをつくっているの はわずか四百社だというふうにお聞きをしておりますが、 プロバイダー事業者は 約六千三百社といわれますけれども、この法案で対象になる役務提供者は、 今申 し上げた数字に当たるのか、もっと広いインターネット事業者に当たるのか、 こ の点が二点目としてお聞きをしたいわけであります。
<副大臣 小坂憲次君>
今御指摘のありました特定電気通信役務提供者に は、電気通信事業者であります御指摘の プロバイダー以外にも、大学、企業や個 人でプロバイダーと同等の役務を提供するものが含 まれるものでございます。

と答弁がありますし,また,

<内藤正光君>
管理者あるいはまたシスオペ、違法な情報が掲載されている ということを知りながら放置した場合、 たとえ自分はプロバイダーに給料をもらっ て雇われているわけではないとはいっても、 責任を負う可能性があるという理解 でよろしいわけですね。
<副大臣 小坂憲次君>
掲示板を管理する責任がある者がどのような雇用 形態であるかということではなくて、 その管理者そのものがこの対象責任を負う ことになるということでございます。

となっています.

つまり,ボランティアでネットワークや計算機を管理している学生もこの法律の 適用を受けます.
この法律では,「情報発信者に確認をとる」ことがキーポイントとなります.
掲示板の例で考えると,ある企業から事実無根の中傷情報を掲示しているので削 除して欲しいと 申し出があったとします. この場合,プロバイダ等が当該情報の発信者に対して削除に同意するかを照会し なければなりません. 照会後7日以内に発信者から同意しない旨の申し出があれば,プロバイダ等は 責任を免除されます.
また,権利の侵害を受けた者から発信者情報(氏名や住所,あるいは, アクセス 元のIPアドレスなど)の開示請求があった場合,開示するかどうかを発信者に確 認し, 発信者が開示を拒否した場合,プロバイダ等は責任を免除されます.
情報発信者に確認をとるためには,通信記録(ログ)が必須となります. 「じゃあ,ログさえ記録しなければ無関係ですね?」と思われる方も居られると思います.
これについても同日の委員会で,「ログがなければ発信者が特定できないから, 情報の開示はできないし,削除の確認もとれない」との答弁がありました.しかし, この法律の本来の目的は,プロバイダを罰するためにあるのではなく, 免責になるための条件を定めたものです.
つまり,削除の確認ができないため削除しなかった場合,免責されない可能性があり, 逆に確認せずに勝手に削除した場合,情報発信者から責任を問われる可能性があります. もちろん,ここで解説している内容は,この法律を厳しく解釈した場合ですので, 実際には今後の判例等を待たねばなりません.
なお,今年以降,本学も関係する可能性が高い法案が複数準備されつつあります. KUINS機構では,KUINSニュース等を通じてこれらの法律を紹介する予定です.

プロバイダ法に対するKUINS機構の対応

学術情報ネットワーク機構

プロバイダ法によれば,京都大学およびKUINS機構はプロバイダ等となりますが, その設備を使って情報提供を行う者やそのための設備を提供する者もプロバイダ等となります.

したがって,KUINS機構がプロバイダ等としての責任を担う部分(責任分界点)は, 学外の接続点からKUINS機構が設置した機器(情報コンセントを含む)の端子までとなります.

ただし,その途中に部局で設置した回線や機器がある場合,その部分については 設置部局がプロバイダ等となります.

ただし,その途中に部局で設置した回線や機器がある場合, その部分については設置部局がプロバイダ等となります.
責任分界点より先で発生した権利侵害に関しては,KUINS機構は 「7日以内に」調査回答する旨を各部局の「プロバイダ等」に通知致します.
一般論として,ネットワークケーブルおよび計算機,各プログラムと当該プログラムを利用した 不特定の者に対する情報提供サービスそれぞれについて, 以下の方々がプロバイダ等になると考えてください.
まず,KUINS-IIについては,

ネットワークケーブル 当該ケーブルを使用するサブネットの連絡担当者など
計算機等 当該機器の情報機器管理責任者
プログラム 当該プログラムの管理者
不特定者に対する情報提供サービス 当該サービスを提供する者

となります.
このため,KUINS-IIに新規接続される機器については,接続申請の都度, サブネッ ト連絡担当者に申請書の写しを通知いたします. また,情報機器管理責任者は当該機器の運用状況を確実に把握してください.

次に,KUINS-IIIに関してですが,KUINS機構が設置したプロキシーサーバーを経由して KUINS-IIIから学外にアクセスする場合,sourceおよびdestinationアドレスのログを 記録させて頂きます.また,KUINS機構が設置したDHCPサーバによりIPアドレスの発行を 受けるVLANについては,発行時にIPアドレスとMACアドレスの対応状況を記録させて頂きます. ただし,当該MACアドレスの使用者については,プライバシー保護の観点から, KUINS機構では把握いたしません.

従いまして,KUINS-IIIにおけるKUINS機構の責任分界点以降については次のようになります.

ネットワークケーブル 当該ケーブルを使用するVLANの管理責任者
計算機等 VLAN管理責任者および計算機使用者
プログラム 通常は学外の不特定の者への情報提供サービスは不可能なためプロバイダ等になり得ません. ただし,部局独自のネットワーク機器により学外にアクセスする場合は,VLAN管理責任者
不特定者に対する情報提供 プログラムと同じ

このため,KUINS-III VLANに接続された機器のMACアドレスを定期的に報告いたしますので, 個々の計算機等の使用状況はVLAN管理責任者が把握してください.
また,KUINS-IIおよびKUINS-IIIで部局独自のプロキシーサーバ, DHCPサーバやNAT装置などを導入される場合は,KUINSニュース36号の 「KUINS-II接続機器の管理体制について」に準じた体制を整え,ログを保管されることを推奨します.

KUINS会議日誌

平成13年11月20日~平成14年3月24日

学術情報システム整備委員会
平成13年12月17日(第31回)
・セキュリティポリシーについて
・システム整備委員会のあり方について
・学術情報メディアセンターのサービスについて
・学術情報ネットワーク通信網について
・その他

平成14年2月4日(第32回)
・学術情報メディアセンターについて
・外部委託のあり方について
・「情報環境機構」(仮称)及びそれに伴う各委員会の構築(オーバレイ)について

平成14年3月7日(第33回)
・「情報環境機構」新設に伴う規定について
・学術情報メディアセンター利用負担金の方針について
・外部委託のあり方について

平成14年3月18日(第34回)
・学術情報メディアセンター利用負担金の方針について
・最近のセキュリティ関連事例について
・京都大学学術情報システム整備委員会要項(案)について
・その他

学術情報システム整備委員会技術専門委員会
平成14年3月12日(第52回)
・平成15年度概算要求の方針について
・学術情報メディアセンターKUINS利用負担金について
・その他

KUINSネットグループ連絡会議
平成14年1月11日(第96回)
・KUINS接続端末数について
・KUINS接続状況報告について
・KUINS障害報告について
・セキュリティ関連報告について
・その他

平成14年2月26日(第97回)
・KUINS状況報告について
・KUINS障害報告について
・セキュリティ関連報告について
・その他

平成14年3月22日(第98回)
・KUINS接続端末数について
・KUINS状況報告について
・KUINS障害報告について
・セキュリティ関連報告について
・KUINS-IIIの現状について
・その他

お知らせ

KUINSニュースへの寄稿を歓迎します.詳細は kuins-news@kuins.kyoto-u.ac.jp または下記までお問い合わせください.

問い合わせ先
学術情報メディアセンター 情報サービス部 ネットワーク担当 ((075) 753-7841)
(学術情報メディアセンター等事務部 ネットワーク掛 ((075) 753-7432))

PDF版 KUINSニュース No.37

 

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